第23回 鳩森薪能
ここ数回は雨に悩まされていましたが、今年は晴天の中で始めることができ、胸をなで下ろしました。また、例年通り多くのお客様に集まっていただき、この薪能が皆様に理解され根付いていることを実感させられました。まずは鳩森小学校児童による連吟でした。練習の成果が発揮された良い謡で、見に来ていたご家族のうれしそうな表情が印象的でした。続いて山本昭実行委員会会長、長谷部健区長のご挨拶、櫻間右陣師の演目解説、区長と伊藤教育長により火入れ式の後、演目が始まりました。狂言は三宅右近師による「墨塗」が行われました。演目解説で櫻間師が狂言は大いに笑ってくださいとおっしゃっていましたが、その通りに顔に墨を塗る場面などでは大きな笑いに包まれました。今の時代にも通じる笑いやユーモアを堪能してもらえたと思います。そして櫻間右陣師による「通小町」。狂言とは打って変わって切ない恋の物語でしたが、気持ちが伝わってくる素晴らしい演目でした。美しい笛や鼓の音、謡曲、舞が風の音やかがり火の匂いと相まって、タイムスリップしたような感覚にさせられました。お客様にとっても貴重な体験になったのではないでしょうか。今後も鳩森薪能が継続できるように、皆様にご理解とご協力をいただければ幸いです。改めて主催の実行委員会を始めご協力いただいた方々に、感謝申し上げます。